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縁談

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縁があって、若い子達の飲み会の席へ呼んで頂く。
家族になりたての二人を祝う会である。

皆の邪魔になりはせぬか不安ではあったのだけど、
新婦のNちゃんに会いたく、のこのこ参列してしまった次第であった。

しかし、集合場所にNちゃんの姿は無い。
聞けば、少し遅れてくるとのことだった。
新婦不在のまま会が始まる。

集まった若者は、新郎殿と学生時代を共に過ごした方々であり、どなたも知識人である。
無知の自分がうっかり口を開けば話の骨折って興を削ぎかねぬので
出てきた飲食物をむしゃむしゃやりながら話に聞き入る。

彼らの会話はユーモアに富み、自由で屈託のないものだった。
互いの近況や思い出話に花を咲かせ
ひとつも後ろ暗いところが無く、無邪気に笑い合っているのである。

そんな絆を持つ彼らが羨ましくもあり、共有し得ぬ悲しさもあった。
その場にいられる楽しさはあったが
やはり場違いであったかなとも思った。

わびしくなり、八つ当たり気味で新郎へ詰め寄る。

「君、Nちゃんは、まだ来ないのかね。連絡など来ていないの。」
「すみません。実はその、来てくれるかどうか…ちょっと怒らせてしまいまして」

少し心配になり更に大筋の訳を聞くと、申し訳なさそうに弁明を始める。
発端は、何、他者からすれば他愛の無いようなことであった。
が、

「本当僕がいけませんでした。彼女は不当な理由で怒ったりは絶対にしません。」

周囲が茶化す中、新郎は真面目に言い切った。


何にも心配要らない。
いい家族なんだな

自分は安心した。





それについて、
以前はとかく悲惨なものだった。


「血のつながりだけが家族の形じゃないよ」

ある御方は仰り、自分をそのように扱ってくださった。
何でも、選ぶ自由があると知った時、
斬新な発想だと思った。
以来、自分にも「家族」と呼べる方々が出来た。

誰かと親密になるには、かなりの勇気が要りようである。
思い入れが強いほど、止しておこうかな、などと考えたりする。

だけど、決して難しいことでもないのでした。


自分にはこの方が、この方には自分がいる
この方のことを、もっとよく知りたい
この方だけには解ってもらいたい
一緒にいると、落ち着く
大事にしたい

今ではそんな想いで結ばれた絆が、自分にとっての「家族」であります。

無論、相手方に確かめる術もないし、ひどく頼りの無い乱暴な括り方ではある。
いっそ「好きか嫌いか」と言ってしまった方が早分かりかもしれません。

こんな自己認識に偏っていたんじゃ
実際は相手を困らせていないとも限らないけれど。


しかし
その時、若き新郎が真っ先に自身の非を告白し、何を言われぬ先からNちゃんを庇う様を見て
二人の絆を思い
ことさら感動したのであった。


そうそう、ちょうどこんな関係のことさ。
二人は、まさに家族だ。



その後、新郎殿の電話での懸命な説得を経て
Nちゃんが到着する。


Nちゃんは、おやと思うほどの美人である。
途端に、一座には華が添えられる。

ようやく面と向かい合い、場違いの参加者もその理由付けが成立したかに見えたが、
さて、何話そうとまごつき、いっこう口が重たくなる。
立ち行かないことがあったばかりでそんな心境でもなかったであろうに、
こうして来てくれて本当に嬉しいのであるが。

そのことに咎があるとは微塵も思わなないが、気まずくもあったのだろう
「遅れてごめんなさい」とすまなそうに席に着いたNちゃんに
労いの言葉すらうまく出てこなかった。

場違いなだけではない。
最年長のくせに、とんだ役立たずである。

話しかけてくれるのは、むしろNちゃんであった。
始終笑顔で接してくれるNちゃんに救われる思いであった。

本当に良い子だな。
優しく器量好しの奥さんと、喜びを分かち合える愉快な友人たち。
本人の人徳も大いにあろうが、新郎殿は幸せ者だよ。

もはや皆と打ち解けて話すNちゃんのその横で、ほっとしている氏を眺め、ぼんやり頷く。

不和もすっかり解かれた様子で
カメラを向けると、照れるのか二人そろって同じ様に両手で顔を覆う姿は、見ていてとても和んだ。


そうこうしている間に、会はお開きとなる。

Nちゃんと新郎殿は
帰り支度にもたつくのろまの輩を最後まで待っていてくれた。

「今日はどうもありがとうございました」
見とれるほどの女の子と、その隣ではにかむ好青年はそう言うと、
肩を並べて二人家路を共にした。

そんな微笑ましい光景に、一瞬、かわいい妹と弟が出来たような気になるが、
いけない、二人にとっては余計な「家族」さ。
すぐに思いとどまる。

その上、思えば新郎殿にも失礼なことばかり言って、ばかをしたと悔やまれる。
あの人には参ったよ、と
後の笑いのタネにでもしてもらえたらと願うのみである。



良縁。


貴重なものを見た
やはり、家族はいいものだなあ。

振り返って再度二人を見遣り、嘆息する。


それにしても、
めったに機会の無い、楽しいひとときではあったが、結局何の役割も果たせなかったな。

せめて、新たに家族となったふたりの門出を、
改めてここで密かに祝福させていただこうと思い立った。






S殿、Nちゃん

今更だけれど、こちらこそどうもありがとう。

ご結婚本当におめでとうございます。
どうぞ末永くお幸せに。
プロフィール

一途

Author:一途
ロマンチスト

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